【図解】開発の経緯#1|リベルサス

私はインタビューフォームで薬の開発の経緯を読むことが好きで、今回は理解を深めるために図解してみました。図解にあたり、図解総研のチャーリーさんのビジネスモデル図解を参考にしました。
書籍のビジネスモデル図鑑には、様々なビジネスモデルがビジュアル化されており、それぞれの特徴が詳しく解説されています。また、複雑なビジネスモデルも視覚的に理解できるように、ポイントを絞って図解されているため、読んでいて楽しいだけでなく、理解度も大幅にアップします。さらに、本書はビジネスのプロフェッショナルだけでなく、ビジネスに興味のある初心者にもおすすめできる内容となっています。
 
チャーリーさんは、ビジネスモデル図解の作成について、非常に詳しい解説を提供してくださっています。ビジネスモデル図解の作成に必要なツールキットを提供しています。今回はこのツールキットを使って、今回の図解を作成しました。
 
今回は、リベルサスの開発経緯を図解しました。
リベルサスの特筆するべきポイントは注射剤でしか投与できなかったGLP-1アナログを経口摂取可能にしたところです。
 
 
GLP-1受容体作動薬の経口化における課題と、リベルサス®がその課題を克服するために採用したSNACという吸収促進剤について「リベルサスの開発と作用機序」の資料で以下のように説明しています。
GLP-1受容体作動薬の経口化の実現に当たって、2つの大きな障壁があったことがその理由です。 1つ目は、服薬後、消化管のペプチド分解酵素(ペプシン等)によって分解されてしまうこと、2つ目は、ペプチド医薬品の分子量は一般的に大きく、消化管上皮から吸収されにくいことです。このような理由により、GLP-1受容体作動薬をそのまま経口投与した場合の生体利用率はきわめて低いといわれています。 しかし、リベルサス®は“ある工夫”をすることで、経口化を可能にしています。 その工夫が、「SNAC」です。リベルサス®は、吸収促進剤であるSNACを含有しています。SNACは錠剤内および錠剤周囲における胃液のpHを一過性に酸性から中性に傾け、胃液による分解からセマグルチドを保護すると考えられています。さらに、SNACは胃粘膜細胞へのセマグルチドの吸収を促進させる働きを持ちます。
空腹時の服用、120mL以下の水で服用、服用後30分以上の飲食NG、PTPを縦に切らないなど制約は多いものの、経口投与という選択肢が広がったことは画期的です。ドラッグデリバリー企業のEmisphere社を買収したことで、今後はインスリンも経口できるようになるかもしれませんね。